は!?惑星準備室

NYの学生起業家が最高のSNSプラットフォームを作る話

メタファーの賞味期限

ごきげんよう, たんのです

みなさん新生活が始まった頃でしょうか, 新しい生活には馴染めそうですか?

 

今日は週末なので少し寄り道をした話をしましょう

 

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世の中はメタファーにあふれています

 

 

メタファーというのは比喩の一つ「隠喩・暗喩」のことです

文章に限って言えば「〜のようだ」とは言わずにたとえることですね

 

 

「この作品は僕の血と汗の結晶だ」とか, 本当に血と汗の結晶なら気持ち悪いんですけど, 血と汗は「努力」の比喩だと我々にはわかります

 

 

察しのいい方ならもう気づいたでしょう

これは前回僕が話した「文脈的直感」の一つです

 

 

これはきっとデザインや新しいシステムを作るときにも有効で,

 

 

メタファーというのは

 

人が豊富に知識を持つ事柄Aから別の事柄Bを説明できる

 

ってことだと思うんですよね

 

 

例えば保存のピクトグラム, あれってフロッピーディスクじゃないですか

あれは多くの人がフロッピーディスクに対して「記録媒体」というイメージを持っていたので, 「保存のメタファー (シンボル)」として機能するんです

 

 

でも今時フロッピーディスクなんて誰も使わないし, 

電話アプリのアイコンも受話器ですけど, 未来の子供は受話器を使うのか?

 

 

って話になるわけです

 

 

そう考えると予備知識が必要な点でメタファーは知識の風化と一緒に消えるのでは......

でもそれをコンテクストとして刷り込めば常識として機能するような......

 

 

 

だって, 電話を使ったことがなくても電話のアプリを使えば逆説的に「これは電話のアイコンである」っていう認識が生じるわけですよ

 

 

エロいなこれ

 

 

 

故にこのまま電話のアプリが「今の子供は電話なんて知らないから......」って無理な方向に進んでいかない限り, 未来永劫ピクトグラムは機能するはずです

 

 

 

でもこれって, メタファーとして機能していた間に文脈として刷り込まれたが故なんですよね

より多くの人が行く道が結果として王道となる, 的な

 

 

 

 

そいつらが市民権を得たり, 世の中に浸透したから言える結果論であって,

メタファーそのものが根本的解決になるかと言われると難しいと思います

 

 

 

隠喩ってそれなりの背景知識や文脈を読む力が必要だと思うんです

 

 

 

例えば漫画で「子供の誕生シーンの裏で川の水が流れている」という部分があったとして, 「水は生命や動態のメタファー」だと理解する人がどれほどいるんでしょう?

 

 

大事な仲間が亡くなった近くに川があれば, それは「再生のメタファー」として機能するし, 親のいない主人公が海で亡くなれば「母性のメタファー」になるかもしれない

 

 

こういうのって最初で言う 事柄Aの豊富な知識 を前提としているので, そもそもメタファーを最初に機能させるのがすごく難しいことなんじゃないのか?と思うんですよ

 

 

理解できる人が一人でもいる以上, 隠喩として機能はするでしょう 

ただデザインに戻って考えたときに, あまり有効な手段ではないですよね

何せ誰にでも理解できるデザインじゃないですもん

 

 

フロッピーディスクが保存のシンボル, っていう常識だってきっと最初は存在していなくて, 保存の役割にそれを当てたのでみんなが逆説的に理解していっただけなんです.

 

 

そうすると結局,

 

メタファーはコンテクストを利用した表面的な解決手段の一つで, どれだけ多くの人がその背景知識を持っているかを見極めなければならない

 

 

ってことになります

 

 

前途多難だなあ

やるべきことはわかってるんですけどね

 

 

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ここからは僕のお遊びです

 

例えばものが左から右に動いていれば進んでいるように見える. 

これは右利きの人が多いから自然にそうなったのか?

それとも数学的にそう定義することが多いから, 表現の多くがその向きで書かれるようになって, 逆説的に我々がそう感じるようになったのか?

だとしたらそもそも数学においてなぜその向きで定義した?

彼らが文字を書く向きが左から右だったので合わせたのでは?

それじゃあその文字を書く向きは何に起因してる?

右利きなら左から右に書くのが一番都合がいいからか

(二行目に戻って終わる)

じゃあ右利きが多いのはなぜだ?調べよう (以下永遠に続く)

 

みたいな, こういうの楽しいですよね

こうやっていろんなところに散らばってる「なぜこうなってるのか」みたいなのを推理して行くの楽しいのでオススメします

 

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メタファーの話ばっかりしましたが, 

自分の中でメタファーを機能させるには事柄Aと事柄Bをリンクさせなきゃですよね

それはアナロジー (類推) と呼ぶことがあるんですが

 

さっきの水のメタファーの話も実はメタファーというよりアナロジーの話なのかもしれないんですよね. 

 

メタファーは事柄Aと事柄Bが結びつく前提の話で, それを結ぶのは類推です

 

 

例えば小説の中で主人公が別れた子に, 

 

 

星が綺麗ですね

 

 

って心の中で言ったとしましょう 意味わかんないしちょっとキモいですね

 

 

日本においては「月が綺麗ですね」が "I love you." の比喩だということが浸透しているのでメタファーとして機能するんですが, 星の場合はきっとメタファーとして機能しないでしょう

 

 

ここでは機能して欲しくないからアナロジーが必要な隠喩をしてるのかも

 

 

「月が綺麗ですね」と構造が似ていること, またそのシチュエーション, 星は月より遠いところにあること, 手を伸ばしても届きそうにないところ, 常に輝いているところ

 

 

それを踏まえて

 

 

「月が綺麗ですね」が "I love you." なら, 「星が綺麗ですね」は "I miss you." の意味だ

 

 

と読めるわけです 文学チックですね

 

だからどうしたって話なんですけど

 

アナロジーとメタファーの話でした

 

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みなさん週末いかがお過ごしでしょうか

僕はまだ土曜の夜です,

みなさんも週末はゆっくり休んで, また明日から頑張りましょう

 

休養は心の必須栄養素ですよ!

 

 

次回

    「ユートピアはディストピア」

 

                         是非またお越しください

 

 

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